気軽にはおすすめできない学習法(社労士)

*2020.09.18更新 テキストなどの情報を最新版にしてみました。

知り合いから「社労士の勉強しようとしたら参考書多過ぎて困った」みたいな話を聞いたので、私なりの勉強法をこちらでまとめてみようかと。ちなみに、最近の問題には目を通していないので、全然役に立たないかもしれません……。
 
一応、6年前に書いた宅建学習法の続きということにしてみます。
 

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私の学習法

前提

最初の受験は2013年でしたが、その前年にFP2級まで取っていました。ですので、社労士試験の勉強を始めた時点で、社会保険に関する基本的な知識はあった気がします。
 とはいえ、社労士とFPでは試験に出るポイントが少し違うので、「基本を押さえるためにFP受検」というのは、あまりおすすめできません。
 

概要の把握

宅建のときと同様、まずはマンガから入りました。ただし、前述のとおりFP受検である程度の知識はあったため、宅建のときほどの効果は感じられませんでした。でも、学習開始時点だけでなく、中盤あたりでも読み返したような気もします。
 

 
私が読んだもの(左)は2018年版で止まっているようです。最新版が出ているものも貼っておきますが、こちらは読んだことありません(無責任)。

テキスト

ユーキャンのテキストを買って、最初から最後まで一通り読みました。選んだ理由としては、「全科目が一冊にまとまっている」という点が大きかったのではないでしょうか。なるべくお金かけたくなかったですし。
 あと、行政書士はユーキャンの通信教育メインで勉強していたのも影響していたと思います。
 

マンガを読んでいたので、「はじめてレッスン」は飛ばして「速習レッスン」だけにしました。

 

演習

過去問の演習に入ったのは、テキストを一巡してからだったように記憶しています(おそらく)。過去問はテキストに合わせてユーキャンにしました。これも一冊にまとまっていたのが大きいです。
 

 
 よく「過去問にテキストの該当ページが記載されているので復習しやすい」みたいなアピールを見かけますが、そういう使い方はほとんどしませんでした。ユーキャンの過去問に「詳しくはテキスト**ページ」みたいな表記があったかどうかも覚えていません。
 
 他には、電車での移動中などに、スマートフォン(というかiPod)のアプリをいじっていました。一問一答形式のやつを何周かしたはずです。
 一問一答といえば、本も買ったような気がしますが、よく覚えていません……。
 
 また、試験の直前には、模擬試験の問題も解いていたようです。Amazonの注文履歴を見て判明したのですが、こちらも詳しいことは覚えていません。おそらく2回分解いているはずです。
 

 

私の試験結果

1年目は不合格でした。午後の選択式で、労災が0点だったもので(ロボコン)。当時のブログにも書きましたが、過去問や一問一で典型的な問題には答えられるようになっていたものの、見たことのない問題を攻略する思考力を鍛えていなかったのが敗因ではないかと思っております。
 

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 2年目は春ごろから勉強を再開して、お盆休みにがんばってなんとか合格レベルに戻すことができました。追加した書籍は、最新の過去問と一般常識の問題集だけだった気がします。それを調べたくてAmazonの注文履歴を調べたのですが、残念ながら記録が残っていませんでした。
 過去問は2年目もユーキャンを選択。前年と重複していない問題を中心に解いたはずです。全部には目を通さなかったのではないかと。

 

もう一度受けるなら

7年くらい前の私にアドバイスをするとしたら、次のような感じになるのではないでしょうか。平たくいうと「おすすめの学習法」なのですが、ブログタイトルのとおり気軽にはおすすめできないもので……。
 
 基本的には、実際にやったのと同じく「概要把握」「内容理解」「演習」の三点セットになるかと思われます。
 
 中心になるのは、過去問演習だと思います。ただし、過去問の解説だけだと漏れてしまう論点も多そうなので、テキストで補完していく必要はあるでしょう。
 また、たまには全体をざっと眺め直す作業も重要だと思われます。「労災保険の休業補償給付と健康保険の傷病手当金」みたいに似たような制度が多いので、そのへんの共通点や相違点は確認しておいたほうがよいのではないかと。「概要把握」で紹介する本を読み返すことによって、頭の中が整理されるのではないでしょうか。
 
こんなイメージです。

 
ちなみに、産休と育休のまとめは、(私が書いた)こちらのブログがおすすめです。
 

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それはともかく、次に一つずつ見ていきます。
 

概要の把握

まずは小説仕立ての本で概要を把握するのがよいのではないかと。マンガは分厚いのが難点ですね。電車の中などで読むことも考えると……。
 

 
 シリーズものなのですが、残念ながら「労働法」は絶版になってしまっているようです。
*2020.09.18 「残り1点」になっています。絶版ではないようですね。
 
 ちなみに、ブログ冒頭に出てきた知り合いには、こちらの本を紹介しました。
 

 
 社労士受験はまだ先のようで、「人事に配属されたので知識を仕入れたい」という要望だったので、やや実務的な本を選んでみました。雰囲気は先の2冊と似たような感じです。ただし、労災に関する話はありません(たしか)。
 
 あと、社会保険制度の概要を把握するのなら、こちらの解説ブログ2本がおすすめです。もちろん、私が書いたものですが。
 
労働保険・社会保険制度の概要と適用の条件、対象者
 
社会保険加入のメリット(健康保険と年金の給付、保険料の会社負担)

 

内容の理解

テキストは次もユーキャンでしょうか。新しいやつは3分冊になっているようで便利そうですね。細かい部分まで覚えようとせず、さらりと読むのがポイントではないかと。過去問を解いてから関連する部分を読むと、理解を深められるのではないかと思われます。
 

 
 過去問の演習が中心になることもあって、テキストは一冊で十分です。どこのものを選ぶにせよ、たいていは「この章のポイント」みたいなのが載っているでしょうから、時間が空いたときにそういう部分だけつまんで読むような使い方もありかと。
 

演習

やはり過去問の演習が中心になるでしょう。でもって、選ぶとしたらまたユーキャンですかね。診断士試験はTACの過去問が良かったので社労士のも調べてみたら、科目ごとの分冊になっていました。全科目10年分は、さすがにつらいです。それよりも重要な論点に絞って繰り返し解いたほうが近道ではないかと。
 

 
 一問一答形式はすき間時間の勉強におすすめです。本でもアプリでも、好きなやり方でよいと思います。

 とにかく、過去問演習を繰り返すことが重要でしょうね。よく「最低5回」とか「3回」とか言われますが、そんなのは人それぞれです。ただし、目標の回数を決めておくと、試験日から逆算して「6月の2週目に厚生年金と国民年金を1周」みたいな計画を立てやすくなります。

 

その他

中小企業診断士の1次試験は、「通勤講座」という教材で記憶の定着を図りました。一問一答の部分だけiPhoneに入れておいて、新宿駅から都庁まで歩くときなどに聞いていましたね。ポイントがマインドマップ形式にまとめられているのも便利です。
 以前から社労士試験に向いている教材だと思っているのですが、いまだに講座が開設されないようです。不思議。
*2020.09.18 社労士も追加されていました。スマホで一問一答などもできるようですね。かなり良さそうです(感覚的な発言)。
 

受験する人に向けて

やはり記憶力勝負みたいなところはどうしてもあります。ただし、知識さえあれば解ける問題が多いので、地道にコツコツと勉強していけば、いずれは合格レベルまで届くのではないでしょうか。そういう意味では、行政書士試験より対策しやすいと思っています。
 
 もう一つアドバイスするとしたら、テキストを隅々まで覚えようとしないのがポイントですかね。7割程度で合格するはずですので、「だいたいでいいや」と割り切ることも大切かと。ただし、仕事もそういう姿勢になると信用を失うので気をつけてください。
 
 あと、よく言われるように「落とす試験」ですので、変な問題にあたってしまうこともあり得ます。択一だったらその問題を捨てればよいものの、選択式で一科目全体がそういう問題だった場合は大変です。
 私の1年目がそうでした(給付基礎日額の決め方なんて知るかっつーの)。おそらく、最初に受けた年に2年目の問題が出ていたら、そこで受かっていたでしょうね、総得点は1年目のほうが高かったですし。
 こんな話はウルフ金串の「俺のステップ・インがあと1センチ深かったら……」みたいで恥ずかしいのですが、「そういうこともあり得る」というのは知っておいてほしいです。
 
 救済措置なんかも、自分が4点だった科目が2点救済(2点でも落ちない)だったのに、自分が2点の科目で救済がない……みたいな感じで、納得いかない人がたくさんいるでしょうね。
 
 そのようなわけで、自分では二度と受けたくない試験ではありますが、これから受験する人は「効率よく」がんばってください。
(最後は投げやりですみません)